スポーツと栄養と食品
クリエーター情報なし
朝倉書店

96年10月発行。スポーツするために余分に摂取する必要のある栄養素に言及している。これまで読んだ本には、もっと新しい本でも書いていなかった。今は否定されたことなのだろうか。推奨量がビタミンB1、B2、ナイアシンは5倍くらい。ビタミンCとEは6倍と半端でない。本当なら気になるところだ。
B1、B2、ナイアシンは有酸素性エネルギー産生に必須で、エネルギー産生が高まると消費量も高まるらしい。ビタミンCとEは抗酸化作用があり、運動中に増加する過酸化脂質の生成を抑える。どれも摂取量の増加によって効果があったとする報告と効果がなかったとする報告とがある。結論として、5倍、6倍の摂取で悪影響は報告されていないので、摂取しておいた方が良かろうと言う論調。
ビタミンB1、B2、B6、Cを欠乏させた食事でATとVO2maxが低下する結果を紹介している。しかし2週間くらいでは差がなく、5週間目くらいから明らかになる。
週に2回程度の週末ランナには、何倍もの摂取が必要と言うことはないのだろう。

運動と水、ミネラル。発汗により失う分を補えば良い。
水は1時間に1リットル程度の発汗による分を補う。180ccを10~20分おき。
ナトリウムは神経質になる必要がない。
カリウムは1リットルの発汗に対して180ccのお茶を飲めば足りる。低カリウム血症では筋力低下、無気力、反射の低下が生じる。夏バテの原因とも言われる。
カルシウムとマグネシウムとリンの消費は運動中大きくなる。リンは過剰に摂取しがちなので、特に余分に摂る必要はない。カルシウムとマグネシウムはは骨に蓄積があるので運動中は特に意識する必要はない。カルシウムは普段から摂取不足になりがちなので、特に多めに摂取する必要がある。アスリートは普通の人の倍、一日に牛乳1リットル相当の摂取が目安になる。(これは不足している!)マグネシウムはカルシウムの半分が目安。
鉄は運動で損失が大きいので摂取量を増加させる必要があるが、過剰摂取は害もあるので上限がある。アスリートは通常の2~3倍20~30mgの摂取が妥当。それ以上はいけない。タンパク質と一緒に摂る事。肉類に含まれる鉄が吸収率が高い。野菜の鉄は吸収率が低い。
微量元素については特に増やす必要はない。

アスリートのタンパク質所要量。一般成人はほぼ1.1g/kg。アスリートについては諸説あるとするが、この本では一般人の1.5~2倍を勧めている。1.8~2.0g/kg。
(タンパク質の過剰摂取は肝臓と腎臓に負担をかけるので、あまり勧められない。最近は一般成人の1.1g/kgも多すぎて有害とする説もある。この本は健康を少々犠牲にしてもパフォーマンスを求める方針なので、素人ランナーには危険な気がする。)

運動不足の栄養生理。運動不足は無重力での生活と似ている。
重力下で立っている時、300~500mlの血液が身体の下部に溜まる。無重力環境では1.5~2lが上部に移動し膨らんだ顔になる。また筋肉の緊張収縮の低下が原因の循環系の異常が起こる。骨格筋には廃用性萎縮が起こる。筋重量の低下、エネルギー生成能低下、収縮・弛緩時間の遅延など。特に遅筋の萎縮が顕著であり、遅筋の速筋化が観察されている。骨からカルシウムが顕著に失われる。骨代謝異常、骨重量・強度の低下はなかなか回復しない深刻な問題である。
寝たきりでも、運動不足でも同様のことが起こっている。

(「スポーツと栄養と食品」が運動で消費したりロスしたりする栄養素に多く言及しているが、月間1000kmのトレーニングをこなすようなアスリートが対象のようだ。せいぜい200kmの土日ランナーには当てはまらない。川島四郎さんや丸元淑生さんが書いていることを基本にしておけば十分なようだ。
タンパク質を余分に摂取する必要があると一時思い込んでいたが、それも必要がなさそう。過剰摂取は肝臓や腎臓への負担が大きいのでむしろ摂取しすぎないように気をつける必要がある。これも二人の書いていることに戻ることになる。
カルシウムが不足しがちであることに改めて気づいた。これも二人の指摘にあったことではある。
摂取タイミングについてはいろいろ追加知識がある。
運動直後の筋グリコーゲン回復に糖分をできだけ早く摂ること。この時BCAAがあると筋蛋白の分解を抑制し合成を促進するかもしれないが摂取が必要かはまだペンディング。
カーボローディングはテーパリングしながら2、3日前から高炭水化物食にすれば十分なこと。その前の低炭水化物はあまり必要ないようだ。
ランニング中の水分補給は1時間に1リットルが限度。糖質、ミネラルがあると水分吸収が遅くなるので、夏場は薄くする必要がある。冬場は濃くても良いので、運動中のエネルギー補給ができることになり、パフォーマンスが上がる。
脂肪の種類と役割、所要量についてはまだ分からないことが多い。必須脂肪酸を不足させないように、いろんな種類を多めに摂るのが無難と言うのが大方の推奨のしかたらしい。川島さんは脂肪にはあまり言及していないが、米と豆と魚と種を食べてさえいれば良くて、特にある量まで摂らなければいけないとは考えていなかったようだ。)

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