新・丸元淑生のスーパーヘルス―銀杏とサメと賢い食事 (新潮文庫)
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新潮社

イチョウ葉エキスとサメ軟骨粉末の商品宣伝のような出だし。ちょっと引ける。前者は脳の毛細血管をやわらかくして広げ、脳への酸素とブドウ糖供給を増やすことで痴呆症から守ってくれる。後者は癌細胞への血管形成を阻害することで強力な制癌効果を発揮する。
現代人の食事は葉酸の不足も著しい。これも癌の発生、発達を助ける。果物と加熱を最小限にした野菜をもっと食べないといけない。特に喫煙者やアルコールを良く飲む人は要注意。

1984年交通事故で死亡した5歳児55人中42人に動脈硬化が認められた。現代人の食事の欠陥だとする。酸化したLDLコレステロールを閉じ込める細胞が血管壁に付着して動脈硬化のきっかけを作る。LDLコレステロールを増やさないこと、抗酸化栄養素を不足させないことが重要。LDLコレステロールは飽和脂肪酸の摂取で増える。コレステロールを含む食品で増えるわけではない。抗酸化栄養素はビタミンE、C、ベータカロチンが強力。これは野菜と果物に多く含まれる。

イタリアではナポリの健康な心臓・血管に比べて北イタリアの不健康度が問題にされている。ナポリでは新鮮な野菜、果物、豆、ハーブ、魚介類の作りたて、取りたてが豊富にある。さらに料理にはオリーブオイルを良く使う特徴がある。北イタリアはバター文化。脂肪の多い豚も良く食べる。パンにもバターは使わないナポリとは対照的。一方でギリシャはヨーロッパで最も肉を多く食べるお国柄だが心臓病はヨーロッパで一番少ない。ナポリ同様オリーブオイルを良く使う。
オリーブオイルはオメガ9と総称される不飽和脂肪酸の一つオレイン酸を最も高率で含む。オメガ9は不飽和脂肪酸の中では最も酸化しにくい。
このためLDLを構成するオメガ9の割合が増えるとLDLの酸化が減る。また、オメガ9はLDLコレステロールを減少させ、HDL/LDL比を高めることも分かっている。このメカニズムで動脈硬化のリスクを減らす。
オメガ9はオリーブの他、アーモンド、アボガドにも多い。紅花油、菜種油にも多い。

オメガ9が動脈硬化を防ぐのは良いが、オリーブオイルは高い。菜種油もオレイン酸を高率で含むが、エリカ酸と言う毒性のある脂肪酸も含み食用に適さなかった。遺伝子工学によってエリカ酸をほとんど含まない新品種ができて安くオメガ9を使えることになる。これがキャノーラ油。紅花油も新品種ができてオメガ9を高率で含む新紅花油がある。次は新品種のヒマワリ油だと言う。
加熱する油料理には酸化しやすいオメガ6ではなく、これらのオメガ9を使うべき。

脂肪の種類と働き、代謝を詳しく分かりやすく書いている。今まで疑問だったことがだいぶ解消。
脂肪酸由来の主な機能物質は3種類。オメガ3系が一種類、オメガ6系の植物油由来が1種類、動物油由来が1種類。このうち動物油由来の脂肪酸は植物油から体内で合成することができる。なので必須脂肪酸は植物由来のオメガ3系と6系。この割合が1対1が理想的なバランスらしい。精製油を使わない時代の日本食はこのバランスが抜群だった。精製油を使うようになってからオメガ6系が10倍以上の摂取量になってしまい、アレルギー体質になった。細胞膜は脂肪酸から構成されるがオメガ3系が多ければ柔軟性が高くなる。赤血球ですら柔らかくなり毛細血管をスムーズに流れることができる。オメガ3の不足は肌荒れの原因ともなる。さらに神経系の生体膜の材料としても重要。成長過程で不足すると脳の生育不良になる。
まとめると。飽和脂肪酸は代謝しにくい状態で体内に蓄積されやすく、LDLコレステロールを増加させるなど良いことなし。まったく摂る必要がない。オメガ9は酸化しにくい細胞膜を構成する。LDLコレステロールを減らす。オリーブオイル、キャノーラ油に多い。加熱する料理にはこれを使うべき。オメガ6は必須脂肪酸だが、サラダオイル・てんぷら油などとして現在では摂り過ぎになりやす。アレルギー体質にするなど害になっている。酸化もしやすいので加熱する料理に使ってはいけない。オメガ3はオメガ6と同量摂りたいが不足しがち。フラックスシード、シソ油、エゴマ油に高率で含まれる。オメガ6よりさらに酸化しやすいので、冷蔵庫に保存し、加熱せずに使う。
マーガリン、ショートニングは、トランス型脂肪酸を高率で含む。これは不飽和脂肪酸の機能を阻害するので健康を害する。代謝の効率も悪く特に心臓の働きを低下させる。

癌を予防することが分かっている食品、にんにく、ブロッコリー、トマト、大豆、キャベツ、人参、玉葱。全ての緑黄色野菜、果物特に柑橘類、オメガ3を多く含んだ魚、お茶。癌を促進するのは、飽和脂肪酸の多い食品と酸化したオメガ6植物油。抗酸化成分が抗癌に効果があることは確実。
脂肪比率20%以下の食品で食事の土台を構成すること。そのような食品には抗酸化成分も多く含まれている。外食では脂肪比率が20%以化の食品を探すのが困難なことが多いので、食事が原因の病気は増え続けるだろう。

にんにくの効用は大昔から知られている。紀元前1550年のエジプトパピルス文書に22種類の処方が記されている。現代医学の研究対象となったのは新しい。これまでに殺菌作用、免疫機能向上、癌予防。以上は生で食べないと効果がない。加熱しても期待できる効果は、コレステロール減少、気管支炎予防、咳を止める効果、血行を良くする効果。特に生のにんにくナチュラルキラー細胞の働きを劇的に高める。癌に対する抵抗力を高める。毎日2片で良いそうだが、、、。

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新・丸元淑生のスーパーヘルス