まちがい栄養学
クリエーター情報なし
毎日新聞社

・お米は安心して食べなさい。パンに勝るとも劣らない。

米食とパン食、和食と洋食として対比するなら、前者が優れている。

・米産地に脳出血が多いのは、年間を通じた総合的な食生活の課題。

・日本の風土にパンは向かない。グルテンが少ない。強力粉ができにくい。

・食生活の原点は、年齢ごとに自力で狩猟採集可能な食材を食すこと。

・自然の味にこそ真の風味がある。

・玄米は消化吸収率が低い。87パーセントしか吸収しない。白米は4%を糠にしているが、98%吸収する。

・骨から内臓まで全体食が理想。小魚を丸ごと食する漁村出身者の体躯が優れていた。

・魚は肉より(海産物は農産物より)栄養がある。ミネラルが豊富。兵糧食として比較試験をした結果。

海のしぶきを浴びるような土地は痩せることがない。

・さんまは天恵の栄養食品。海面のプランクトンを広範囲に食べるので、内臓まできれいで美味しい。

骨もやわらかい。焼いて食べること。髄にも他にない栄養分がある。

・青菜不足は健康を害する。

・乳と果実だけは食されるようにできている。但し、乳はビタミンEがなく性欲を抑える。

・卵は栄養素の塊であるが、食べ過ぎは老衰を早める。老年者はコレステロールの取りすぎに注意。

肉・卵は硫黄・燐・窒素を多く含む酸性食品で、中和するためカルシウムを一緒に摂る必要がある。

・チーズよりも豆腐。

・白い野菜より青菜。

・豆ももやしにするとビタミンCができる。

・「玄米4合に少しの野菜」は多くの青菜にすべきだった。

・カルシウムの不足は気が荒くなる。

・食物繊維を多く摂ること。肉食は体内で腐敗臭を発し、全身を巡る。快便で排泄を促す必要がある。

 ・食塩は摂りすぎてはいけないが、欠かすことはできない。大人は日に15グラムが必要。

・精製した白砂糖には黒砂糖のミネラルがなくなっている。

・梅干はクエン酸が豊富で、クレーブス回路の主役を演じる。

・ミカンのビタミンは皮の方に多く含まれている。ビタミンCは皮に150ミリグラム、身に40ミリグラム、各100gあたり。

・ニンニクのアリシンはビタミンB1と結びついて効力を高め、ビタミンB1の吸収も助ける。

・食事をしたらすぐ牛になれ。胃の消化活動中は血流が胃に集中する。胃袋の食物の大部分が腸に移動してから行動すべき。また、ヒトは直立姿勢のため、胃が下がりやすいのも問題。

・葉緑素とヘモグロビンは4つのピロール核から構成され、中がマグネシウムなのが葉緑素、鉄なのがヘモグロビン。血色素を増やすためには青菜を食べる必要がある。

・欧米食が増え、日本にも肥満が増えてきた。

・日本は水に恵まれている。水を生かした料理を続けるのが良い。

・栄養学も万人に通じるものばかりでない。処方箋的栄養学が必要である。欧米人と日本人、環境の違いを反映しないといけない。年齢による差異も大きい。

・玄米食は野菜を十分に摂ることができる人なら勧められる。

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まちがい栄養学

火の賜物―ヒトは料理で進化した
リチャード・ランガム
エヌティティ出版

エネルギー多消費の脳が大きくなって行くと同時に、胃腸が小さくなった。180万年前、ハビリスからホモ・エレクトスへの進化は料理した食物の摂取の始まりによる。臼歯の面積が21%減少、体のサイズが大きなり、胃腸の容量が小さくなり脳容量が42%増加し、木登りが不得意になった。地面で寝るためには火の使用が必要と考えられる。初めてアフリカを出て170万年前西アジア、160万年前インドネシア、140万年前スペインに達している。

アウストラロピテクスは直立歩行したが、特徴のほとんどは類人猿に近かった。チンパンジーほどの背丈で木登りがうまく、脳の大きさはチンパンジーと変わらず、胃の大きさも類人猿と同等だった。エチオピアで260万年前に石刃が使われたことが化石の骨についた傷痕から分かった。230万年前のハピリスは類人猿の特徴を持つが、脳が大きく、人類への中間的存在と考えられる。ホモエレクトスは解剖学的特徴はほぼ現代人と同じで同等の身長・体格である。まだ脳が現代人ほどは大きくない。20万年前、脳が発達した現代人が誕生した。

アウストラロピテクスからホモエレクトスへの進化の要因は何か。従来は肉食としていたが、筆者は火を使った料理であるとする。採集なしに狩猟は成り立たない。解剖学的特徴は肉食に適していない。

ヒトは過度のタンパク質摂取で中毒症状を引き起こす。炭水化物か脂肪かがなければ数週間で死んでしまう。ヒトが誕生した熱帯の哺乳類の体脂肪率は平均4%程度と低く、脂肪は期待できず、植物の炭水化物が欠かせなかった。

ヒトの顎、口、歯では小さくて非力で生肉食ができない。肉の消化で重要な胃も小さく、消化器官は肉食に適していない。肉食動物では生の肉は長く胃に留まり胃壁の強力な収縮で小腸での消化がしやすくなる。犬は2から4時間、猫は5から6時間、食物を胃にため、小腸を素早く通過させる。ヒトは1から2時間しか胃に食物をとどめず、長い時間をかけて小腸を通す。生肉についたバクテリアが生み出す毒素への抵抗力もほとんどない。有害バクテリアによる中毒件数は毎年数千万件に達する。

ヒトは生食では必要なエネルギー摂取ができない。現代でも完全な生食主義ではやせ細って、健康を維持することが困難である。

 

火の賜物―ヒトは料理で進化した

人類大移動 アフリカからイースター島へ (朝日選書)
クリエーター情報なし
朝日新聞出版

1億年以上 被子植物・昆虫・鳥
霊長類は鳥の後に誕生
3000万年前類人猿誕生
1500万年前寒冷化類人猿種減少 真猿類繁栄
人類は700万年前に誕生
200万年前原人 石器利用、ヨーロッパ進出
90万年前旧人
20万年前ネアンデルタール人 ヨーロッパ氷期に誕生
20万年前新人 アフリカ東海岸 旧石器革命:石刃技法
4万年前新人が出アフリカ

霊長類 果実・葉・樹皮、昆虫・小動物の雑食
草食動物、真猿類 胃や腸でバクテリアを共生させセルロース分解
類人猿は植物消化能力が劣る
ヒト科 オランウータン2種、チンパンジー2種
道具を使う
チンパンジーは昆虫・動物を捕食
オランウータン・ゴリラは硬い殻の中の実を捕食
乾季と直前の果実減少期の補助食
ゴリラは草の髄、葉、樹皮などの繊維質部分
チンパンジーは果期の長い果実を広範囲に探す、昆虫をよく食べる
ボノボは果実減少期の少ないコンゴ盆地に棲み、昆虫食・肉食はしない
ゴリラと同様にクズウコン、アフリカショウガなどの草を食べる
ヒト科類人猿の祖先に最も近い食性はボノボ
人間の祖先はチンパンジーと共通の祖先から分岐、その直後から直立2足歩行
長距離移動能力が優れる
広範囲で食を探し、地下茎の利用と肉食拡大が人類類の補助食物戦略
人類は2年で乳児期終了、 他の類人猿は3~7年の乳児期
多産戦略
脳の成長
ゴリラは4歳前に新生児の2倍、大人と同じ
人間は生後1年で2倍、5年で90%、14~16まで成長し、新生児の4倍で完成
脳の成長は多くのエネルギーが必要
心臓・肝臓・腎臓の比率は人間も他の霊長類もほぼ同じ
人間は脳が大きく、胃腸が小さい
高エネルギー、消化の良い食物が必要

人類大移動 アフリカからイースター島へ

細胞から元気になる食事 (新潮文庫)
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新潮社

牛乳を飲まない。牛乳は、栄養のバランスを崩してしまう、細胞の働きを阻害する。カルシウム摂取はマグネシウムとのバランスが必須。筋肉や血管の弛緩・収縮もカルシウムとマグネシウムが拮抗することで正常に行われる。牛乳はカルシウムだけを大量摂取してしまうことになるが、カルシウム濃度だけ高まると逆にカルシウムの体外への排出を促進してしまう。欧米人はカルシウムの摂取量は多いが骨粗鬆症が多い。骨粗鬆症はカルシウムの摂取不足が原因ではなく、骨のカルシウムが失われやすい生活習慣によって起こる。乳製品を始め動物性タンパクには硫黄の豊富なタンパク質が多い。硫黄は体内に余分な酸を生じさせ、この酸を中和するために骨のカルシウムが溶かされ、体外に排出されてしまう。

細胞から元気になる食事

久司道夫のマクロビオティック 入門編 (Kushi macro series)
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東洋経済新報社

マクロビオティックは古代ギリシャの哲学者・医学者が使っていた言葉。宇宙や自然のあり方に適応した生き方をマクロバイオスと呼んでいて、そのための生活術がマクロビオティック。生活の基本は環境と食物。転地療法が 環境の例。伝統食の良さを取り戻すことがマクロビオティック。現代食のすぐに改善すべき問題点は4つ。タンパク質は動物性ではなく植物性を中心にし摂りすぎない。脂肪分を少なく、植物から。単糖類・二糖類をさけ、多糖類を摂る。牛乳や乳製品は避ける。
マクロビオティックの標準食は重量比で、全粒穀物40~60%、5~10%がスープ、20~30%が野菜、残りの5~10%が豆類や海藻類。

長い間にわたり、人は主に穀類からタンパク質を摂ってきた。精製する前の穀類には大量のタンパク質が含まれている。精白するようになってタンパク質が不足するため、肉や卵で補うようになった。それは不自然なことだ。
本来、脂肪は脂肪として摂る必要はあまりない。炭水化物やタンパク質などを余分に摂ると脂肪に変えて蓄えられるから。飽和脂肪酸は摂りすぎると血管を硬くし、心臓病や脳梗塞の原因を作る。余分に摂った脂肪は皮膚の外に押し出されて肌の美しさを損ねることにもなる。穀物をまるごと食べていれば、必要な脂肪分も自然に摂る事ができる。
単糖類・二糖類はすぐに血糖値を上げるので気分も高揚する。しかし、インシュリンが出て血糖値を速やかに下げることで気分も急速に落ち込んでしまう。このような血糖値の急激な上がり下がりは不快だが、気分の高揚を求めて習慣になりやすい。このような習慣は低血糖症や糖尿病の原因となる。多糖類の麦飴、米飴、精製していない黒糖などで甘味を摂るのが良い。
牛乳はカルシウムやタンパク質、脂肪が豊富だが、人にとっては利用しにくい。タンパク質や脂肪は粒が大きすぎて吸収しにくいうえ、吸収されても人の体では利用できない。体外に出そうとするため、皮膚から出れば発疹やアトピーの原因になる。呼吸器から出そうとすれば喘息の原因になる。カルシウムは海藻から摂るのが良い。この方が人が使える形でカルシウムを含んでいる。

 

マクロビオティック入門編

100歳まで元気に生きる!
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アスペクト

時の試練に耐えた文化があり、100歳まで健康でいられる社会がある。長寿の秘訣は最近の医学の進歩によりかなりの部分が解明されている。誰でもより長く生きて、最後のときまで活動的で、生産的で、明晰な頭でいられることを明らかにしている。食事と運動と社会的つながりにその秘訣がある。強い社会的つながりは精神の健康だけでなく肉体にも大きな違いを生む。孤独はタバコより早く人を殺す。

長寿として有名な、アブハズ、ヴィルカバンバ、フンザ。食事は似かよっている。炭水化物からカロリーを摂取する割合:65%、74%、73%。脂肪からカロリーを摂取する割合:20%、15%、17%。タンパク質からカロリーを摂取する割合:15%、11%、10%。成人男性の1日のカロリー摂取量:1900kcal、1800、1900。食事における植物の割合:90%、99%、99%。動物の割合:10%、1%、1%。塩分摂取量:少ない。砂糖摂取、加工食品摂取、肥満発生率:0。

沖縄での30年に及ぶ長寿者(百寿者)の研究。年齢の正しさが証明されている中では世界で最も長寿で健康な高齢者のいる場所であることが科学的に証明された。「オキナワ式食生活革命-沖縄プログラム」(飛鳥新社刊)に紹介されている。心疾患はごく少なく、脳卒中、ガンの発生率は世界のどの地域よりも低い。骨粗鬆症も少ない。死の1、2年前までとても健康で元気で、人の助けを借りずに生活でき、肉体労働をこなしている。食生活は他の長寿者地域と同様である。総摂取カロリーが少ない、全粒穀物や野菜・果物から炭水化物を取っている、自然食品を食べている、地元で育った旬の食材で新鮮な食事を摂っている、摂取する脂肪量はかなり少ない、種や木の実・魚など自然の食材から脂肪を得ている、タンパク質は豆や、全粒穀物、種や木の実などの植物から得ている。
ワシントン大学の指導で栄養価が高く低カロリーの食生活を3年から15年実践したカロリー制限ソサイエティ参加者は、心臓発作、卒中、糖尿病で死ぬ可能性が非常に少なくなった。同様の食事は見た目の若さと細身の身体を保たせ、頭の働きを活発にする。加齢の悪影響を減ずる。
戦後の沖縄では欧米化した食事のため健康上の問題に直面している。沖縄の若者の肥満者の割合は日本で最高のレベルにあり、心疾患、血管疾患、早死にの危険度は最も高い。

肉体の衰えは加齢によるのではなく、使わない時間が長くなることからくる。動かずにいると骨や筋肉や器官が衰える。激しい運動は危険だと最近まで専門家に信じられていた。ペンシルバニア大とハーヴァード大卒業生5万人以上の運動習慣を調べた40年にわたる調査の結果、カロリー消費が大きいほど死亡率が落ちることが明らかになった。どのタイミングでも運動を始めさえすれば元気な高齢者になれる。どんな種類の運動でも恩恵がある。ジョギングなどの有酸素運動は心臓や肺、脳の病気の予防に有効。筋力トレーニングは骨密度や筋力を高めるだけでなく全身のバランスや健康状態を改善する。糖尿病は劇的に改善する。運動は健康に良いが、それは良い食事を摂っていることが前提になるので要注意。

脳の健康を保つ。アメリカでは85歳以上の半分が何らかの認知症にかかっているなど、先進国では高齢者に知的衰退は避けられないと信じられている。対照的に、アブハズ、ヴィルカバンバ、フンザ、沖縄の高齢者では認知症は極めてまれだ。運動をすればするほど脳の健康を保つことができることが証明されている。記憶力、学習能力、注意力、並列処理力、意志決定のいずれもが向上する。運動によって脳へ供給される酸素が増え、毛細血管が成長し、神経伝達物質を増加させる。正しい食事も重要。抗酸化物質を含む植物性食品は免疫機能を高め、感染症やがんの危険を減らし、フリーラジカルによる脳の損傷を予防する。有毒なアミノ酸であるホモシステインのレベルを低く保つ必要もある。タンパク質の代謝異常で作られる。ホモシステインのレベルは肉食で高くなり、葉物野菜や全粒穀物、豆類、果物を中心に食べる人では低くなる。前者では認知症にかかる割合が後者の3倍近くになる。

愛は寿命をのばす。ディーン・オーニッシュ医師「愛や人間関係は病気の罹患率や早死に大きな影響力を持つ。食習慣、喫煙、運動、ストレス、遺伝、薬、手術、そのどれをとってもこれほど大きな影響を与える要因はない」

有害な人間関係がある。壊れた心はそれでもまだ生きている。傷ついた心の中に強さを見つけ、より深い知恵や創造力、思いやりを持って立ち上がることだ。アーネストヘミングウェイ「世界はあらゆる人間を壊し、多くの人はその後、壊れたところが強くなった」。

100歳まで元気に生きる

丸元淑生のクック・ブック (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋

毎日の食事は穀類・豆類・野菜を基本にするのが良い。それにビタミンB12供給源と果物・生食野菜を加える。
豆類は穀物のタンパク質と合わせての完全性を補完しあう分量とする。カロリーで穀物3対豆類1くらいの比が望ましい。この組み合わせでタンパク質を摂ると脂肪の摂取量を下げることができる。豊富な食物繊維源ともなる。また、ナトリウムの含有量が少なくカリウムが多いことも重要である。毎日十分な量を摂取し、これらの特色を生かすことができる調理法も重要である。スープとサラダと自家製もやしが理想的な調理法となる。(本誌は西洋食が主体で和食の記述が少ない。豆腐と納豆、味噌汁など和食を主体にすればもっと簡単に毎日豆類を摂ることができるはず。)スープの材料としては、スプリット・ピー、レンティル、ガルバンゾーがお薦め。ストックで30分~45分煮るのが基本。レモンと調味料で薄く味付けする。ストックがなければ水でも良い。ストックはミネラル源となるので食後の満足感が高まる。別に炒めた玉ねぎ、セロリ、人参、ピーマンなどを加えるのも良い。ニンニクやトマトも良くあう。じゃがいもも良い。
以下、野菜の調理法、ストック、ダシ汁、基本食材、野菜、魚介類と続く。(健康に悪いと考えるからか肉料理は出てこない。)

オート(穀類だが豆料理の文脈で書かれている。)日本で言うカラス麦。米・麦と同等のタンパク質を含みビタミンB群源としても優れている。なにより水溶性食物繊維が豊富で、これは腸の健康維持に欠かせないし、コレステロールも下げる。フィチン酸が少ないのでミネラル摂取を妨げることがない。スープに入れて取り入れることを勧める。10分煮れば柔らかくなるから手軽で良い。ロールドオートは加工度が最も低く常食に適する。間食にも良い。水で煮るだけで良いしドライフルーツを入れても良い。
豆のサラダ。煮た豆を油と酢であえて食べるが、サラダにして美味しい豆は、大正金時豆、白花豆。大正金時豆はキドニービーンズに似ている。栄養素と味を損なわないためには最小限の水で、火の使用も極小にする。ビタクラフト鍋か丸底鍋を使うことを勧める。豆は洗って2.5倍の水に1晩(8~9時間)つけておく。その水のまま弱火で40~50分煮る。40分過ぎたら頻繁に味見し、煮過ぎないこと。煮汁を捨てて油と酢であえて出来上がり。好みで玉ねぎ、パセリを一緒に煮ても良い、サラダとして後から加えても良い。冷蔵庫で数日持つので便利。

自家製豆もやし。小豆、大豆、レンティル(ひら豆)はもやしにして食すに適している。発芽によって栄養が増す。栄養がピークになる、芽が5mmから1cmくらいで収穫する。乾燥した豆の状態ではまったくなかったビタミンCが豊富になり、ビタミンA、E、B群も増加する。デンプンも一部糖に変わって甘味が生まれる。15分蒸すだけで、栄養素も損なわず、そのまま何もつけずに美味しく食べられる。ザル栽培で簡単に発芽させることができる。大豆で水に12~18時間つける。それをザルにあけ、温室代わりにポリ袋をかぶせておく。1日に2~3回ザルごと水洗いし、2~4日で適度に発芽したところを収穫する。

野菜の調理法。水を使わずに蒸す、クイックスティアフライ、ゆで、サラダ、トスドサラダ。野菜をゆでる場合、最初に70度以上の加熱をして酵素を壊す。強火で沸点を維持しながら少しずつ入れる。ホウレンソウの場合なら2株か3株ずつゆで、ゆでる端からザルにあけていく。ゆでる湯に重曹を入れると冴えた色になるが、ビタミンCがほとんど抜け出すのでさけた方が良い。アク抜きが必要な山菜・野草を除いて水に放つ必要はない。水洗いすると栄養素が逃げてしまう。酵素が壊れていれば色がそれ以上くすんだりしない。ゆでた野菜は早く温度を下げる必要はある。高温のままだと熱に弱いビタミンCや葉酸の破壊が進む。短時間流水で冷やし、すぐに水を軽く絞るのが良い。

サラダは欧米でも実は新しい。20世紀に入り冷蔵庫が出現してから。カリフォルニアのレタスが冷蔵車で東海岸に運ばれるようになって流行した。エンダイブ、チコリ、クレソン、人参、キュウリ、セロリ、トマト、ピーマン、自家製もやし、などなど。サラダは加熱による栄養素の破壊がない利点がある。生野菜は体力がないと消化できないので、元気でないとたくさんは食べられない。消化能力を測るバロメータで、サラダが食べたくなるくらいまで身体を動かしていることが健康維持につながる。

トスドサラダ。葉は酢や調味料が加えられる前に表面が油できらきら輝くまで十分にトスされているべきである。必須脂肪酸をふくんでいる油を使うべきだ。熱を加えずにそのまま使うので理想的な状態で不飽和脂肪酸を摂るほとんど唯一のチャンス。洗った野菜をよく水切りする。油をかけて、木製のフォークとナイフでボウルから10センチくらい持ち上げて落とす。油の膜は酸素から遮断してビタミンの破壊を防ぐ。水気も弾いてビタミンとミネラルが溶け出すのを防ぐ。少ない量で油膜を作るにはトスする回数を増やす。トスは食べる10分前にする。ドレッシングは食べる寸前にかける。
ドレッシング。基本は酢またはレモン汁に少量の塩を加えたもの。好みでハーブやスパイスを加える。
必須脂肪酸はオメガ3とオメガ6の2種類ある。いずれも加熱に弱いので、サラダに使うのが唯一のチャンス。酸化すると有害な物質になる。オメガ3とオメガ6は均衡が取れている必要があり等量を摂取しなければならない。オメガ3を含むのは亜麻仁油(フラックスシードオイル)、エゴマ油、シソ油。いずれも60%前後含んでいる。キャノーラ油、大豆油にも10%程度含まれている。その他の油にはほとんど含まれていない。オメガ6はごま油、コーン油、大豆油、紅花油などに50%以上含まれている。オリーブ油はオメガ9を70%以上含む。新紅花油も同様。オメガ9は必須脂肪酸ではないが、加熱に比較的強いので炒め物に使うの良い。飽和脂肪酸は加熱に強いがカロリーをもたらすだけで栄養素を含んでいない。血液の粘度を高めて血流を悪くし、心臓血管系障害の原因となる。

丸元淑生のクック・ブック